日本財団助成事業
コミュニティ及び学術分野におけるろう通訳者・フィーダー養成事業
『ろう通訳カリキュラム(日本語版)』
2010 年、全米通訳教育センター連合会(National Consortium of Interpreter Education, NCIEC)は、ろう通訳者の実践に関する画期的な研究として、Toward Effective Practice: Competencies of the Deaf Interpreter 『より効果的な実践にむけて:ろう通訳者の能力』を発行しました。この研究は、全国的な調査をもとにしており、ろう通訳者や通訳指導者団体を主な対象にしたものです。その当時から、私たちはこの作業がろう通訳者に特化した研修の機会の不足を解消するためのカリキュラムの作成へと発展することを願っていました。
今ここに NCIEC のろう通訳カリキュラム(Deaf Interpreter Curriculum)を、楽しく有意義な新し い道への第一歩、出発点としてお送りします。このカリキュラムは、ろう通訳者がその独特な仕 事を実践するために必要な研修を検討し、ろう通訳者の発展を支援し、彼らが継続的に専門性を高めていくために必要な重点的支援を考える新たな対話の出発点です。
『ろう通訳カリキュラム(日本語版)』「はじめに」より抜粋
*NCIEC Deaf Interpreter Curriculum(ろう通訳カリキュラム)
*NCIEC National Interpreter Education Center (全米通訳教育センター連合会)
謝辞
このたび、日本財団の助成を得て、『ろう通訳カリキュラム(日本語版)』を発行できたことを大変喜ばしく思います。
2016 年『Deaf Interpreter Curriculum』の刊行以来、日本語訳に取り組んでまいりました。本書には日本におけるろう通訳者の養成のみならず、手話通訳教育に参考になることがたくさん書かれています。通訳翻訳技術をはじめ通訳者の職業倫理や規範など、手話通訳に携わる人たちに不可欠な知識と情報が満載です。ぜひ、ろう通訳者を目指す方にも通訳者養成を担っている方々にもご活用いただきたいと思います。
本書の発行にご協力いただいた関係各位ならびに日本語版発行を許可してくださった NCIEC に心より御礼申し上げます。
特定非営利活動法人手話教師センター
理事長 赤堀仁美
『ろう通訳カリキュラム(日本語版)』構成
第1編 ろう通訳 過去、現在、未来
第2編 ろうコミュニティ内の人種、文化の多様性
第3編 通訳利用者の把握 -文化、言語、コミュニケーションスタイルの確認
第4編 ろう通訳者の倫理の考察及び課題
第5編 ろう通訳利用者の通訳理論と実践
第6編 聴/ろう、ろう/ろう通訳チーム
※『ろう通訳カリキュラム(日本語版)』の付録F(249-294ページ)に収録されている発表スライドのPDF版及びパワーポイントは、下記からダウンロードできます。(改変は不可)