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■発表1 海野和子

「手話学習者のつまずきに対する、適切な指導法の検証」

 

手話学習者にろう者の映像を見せて、そのまま真似をさせ表出させる、という課題があるが、学習者にとっては難しい課題の一つだ。できない原因は、現状にあわせた指導が、適切に行われていないせいではないだろうか。指導者は音韻変化、語彙の言い換え、CL表現など、文法を十分理解したうえで指導することが重要である。本発表では、学習者にとって適切な指導法とは何かということを検証していきたい。


■発表2 中山慎一郎

「聴覚口話法がろう者に与えた影響」

 

高度情報化社会の急速な進展は、Eメールなどの文字通信の可能性を飛躍的に広め、文字の使用を通して、極めて多様かつ広範な通信が可能となってきており、リテラシー能力の重要性が問われるようになってきている。そんな中での、ろう者のリテラシー能力の欠如は、ろう者自身にとってますます不利な条件となってきている。ろう者のリテラシー能力の欠如は、ろうという一次障害 (Impairment)に特有のものなのか、幼児・小学時に受けた教育によるものなのかを、先行研究など文献を考察検証し、その結果をまとめた。


■発表3 木村晴美

「なぜナチュラル・アプローチなのか ~外国語教授法比較から~」

 

古典的な外国語教授法として知られる「文法翻訳法」(Grammar-Translation Method)からオーラル・アプローチ(Audio-lingual Approach)、ナチュラル・アプ ローチ(Natural Approach)まで、さまざまな外国語教授法が存在しているが、どの教授法にも長所・短所があり、決定打といえるものはない。現実的にはさまざまな教授法を組み合わせ、指導しているといってもよいだろう。しかし、手話教育においては、ナチュラル・アプローチがもっとも有効な教授法として支持され、現在に至っている。今回は、なぜナチュラル・アプローチなのかを外国語教授法比較から再考察してみたい。


■発表4 前川和美

「関西学院大学の取り組み」

 

関西学院大学は、2008年4月、第二の言語科目として日本手話が導入されました。メディアにも取り上げられ、1年が経過した今。授業内容や課題など、お話させていただく予定です。

 


■発表5 春日幸三

「手話の動作における近接と末端」

 

受講生に対して「動きがぎこちない手話になるから気持ちを楽にして!」、「緊張しないで、肩に力を入れない」などと指導をする講師を見て、違和感を覚えませんか? このような助言は適切なのでしょうか。また、受講者は何故思った通りに表現出来ないのか、講師の自分に問題があるのではないか、と悩み続けました。しかし、2年前、ギャローデット大学で受講したDST・ASLクラスの指導の中に、答えを見つけました。それは「手話の動作における近接と末端」というものです。手話表出時の肩から指までの動きを分析した研究です。教授から発表する許可を頂き、今回発表する事になりました。

 


■発表6 赤堀仁美•市田泰弘

「カード教材を通して、手型について考える」

 

手話教育の教材のひとつに「手型カード」があるが、その作成・使用をめぐっては、手型の音韻的体系がCL構文、フローズン語彙、数字、指文字によってそれぞれ異なっているということを考慮に入れなければならない。本発表では、この手型カードをめぐる音韻論的題について、理論と実践の両面から考察する。